梅の栄養と健康効果

梅の栄養

梅の栄養面ではいろいろ説明しなければならないのですが、何より特筆すべきなのは有機酸が多いということです。それらはクエン酸、リンゴ酸、コハク酸、酒石酸などであり、こうした各種有機酸が疲労回復や殺菌などに効果があります。


更にはミネラル類で、カルシウム、カリウム、リンなどが含まれ、ビタミンについてもA、B1、B2、Cを含んでいて、まさに有効成分がギッシリ詰まっているような感じです。


梅に多く含まれているクエン酸は、特に疲労回復に効果があることで知られている成分です。代謝を活性にして疲労で体に溜まった乳酸などを燃焼させます。


身近な例では、おにぎりに入れる梅干しで、疲れたら、こうして梅干しを食べるか、梅酒を飲むといいのです。遠足の時の梅干入りおにぎりは実に理にかなっているのです。疲労度が強い場合は、梅肉エキスを摂ると、顕著な疲労回復効果が期待できます。


梅肉エキスというのは、完熟直前の青梅の絞り汁を長時間煮つめて濃縮して作られます。青梅1kgから20g程度しかできないので、有効成分は梅干の数十倍にもなります。


漢方薬では「烏梅(うばい)」があります。これは梅の実を真っ黒に燻蒸したもので、この烏梅を5~6コ煎じた汁を飲みます。空腹時に飲めば腹痛や下痢が治まります。烏梅は漢方薬局で売っています。


腸カタルには、この烏梅を煮込んでやわらかくして、その汁を布などで濾し、更に煮つめた汁を飲みます。実際に確実に効き目があるということです。こうした効果から中国では烏梅は甘草などと共に、煎じたものはお茶がわりに飲まれています。